ページ

2012/12/28

性的資産異聞

松岡正剛の千夜千冊エロティック・キャピタルを読む。

確かに、誰もが認めているがどこかキワモノ的に扱われてきたエロティック・キャピタルも、キャサリン・ハキムがこれほど堂々と主張すると陽の目を浴びてくる。

人の能力を評価するには運用できる資金力以外には、IQなどに代表される頭脳、絆などの人脈力は誰もが異存はないが、それに並び立つほどの実在感を持っているのが性的資産だというのだ。
美しさ、スマート・パフォーマンス、性的魅力、自己演出力、社交的なスキル、ファッションセンス、プロポーション、すばらしい言葉づかい、セクシャリティ、クールな判断力、うっとりするような声、脚線美、情熱的なアプローチ、エレガントなマナー
現実的な性的資産の運用は、性風俗産業であるが、表舞台では叶姉妹の直截的な活用もあるし、木村拓哉もしっかりそれを活用している。

性的資産というよりも外見力あるいは様式力なのだが、剣道や茶道を学べば誰もが得られる様式美もこの性的資産につながる。化粧もヘアセットも服も手軽に性的資産を大きくする。ダイエットもエアロビクスも同じだ。

中身が大事と知識を貪欲に吸収し、資産を増やし、結果として人脈もついてくる、格好や外見は中身が充実すれば自ずから湧き出すものと、性的資産だけを追求するのは卑しいものという価値観を大胆に否定する考え方だ。

『金で買えないものはない』と豪語したホリエモンも収監後にスリム化しただけで、好印象に変わった人々は多い。あのスリム化した姿格好から出される言葉は太ったホリエモンの時とは説得力が大きく違うことに気が付くはずだ。

スリム、プロポーション、服の着こなし、それに気を配ることに異を唱えられない時代が来るのだろうか?

そんなことを考えながら、ニュースを見ていると、阿部総理の性的資産は数年前よりも低下し、麻生前総理は向上しているように見えてならない。仕立てのいい背広のおかげなのか、魅力的な表情なのか、どこが違うのだろうか・・・