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2011/08/14

安房棒踊りと野菜直売所


朝6時からいつもどおりに松峯大橋経由の満天橋の6kmコースを歩き最後のかもめ荘の急坂の手前でふるさとの女将さんに声をかけられた。あれやこれやの話の展開のあと、なぜか高平の100円市に行くことになってしまった。

シャワーを浴びてから迎えに行くと、ふるさとの前のつぼねの娘さんも同行することになり、東京に住んでいるがお盆で帰省していること、じいじ家のマスターに屋久島に戻って来いと言われたがなどととりとめない会話をしているうちに目的地に到着。

鮮度のいい野菜などが沢山あるが、家の冷蔵庫には野菜が満載なので、買ったのは烏骨鶏の卵6個300円、筍100円、ツルムラサキ100円だけだったが、女性陣はいやはや手に一杯満載で実に楽しそうだ。この高平の100円市は毎週日曜日にやっているとのこと。

女のエネルギーは凄まじいことを実感したのは、このあと。楠川の市に行くことになってしまったことだ。話によると、楠川の市は毎週水曜日と日曜日にやっているが朝9時の開店と同時に商品が無くなるほど安くてものがいいらしい。結果的にはお盆ということで休業だったが、いつもは田中屋やAコープなどで都会と同じ流通網の青果を購入している私にとっては、屋久島産の鮮度がよく安心で安い青果の入手ルートが分かったことが大いなる収穫だった。

10時前にふるさとに帰ると、満天橋から派手な着流しを着ている若者集団。聞くと棒踊りとのことだが、そのあまりの存在感に急遽その後を追いかけることになった。

安房旧市街の奥に神社があり、そこに向かっているが、見物人は私以外には誰もいない。

神社の前で、おもむろに抑揚を抑えた声でリーダーが歌い始めると、それに合わせて30名近い若者が棒を持って声を出し突如踊り始めたのだ。見物人が10名もいなかったので、秘めごとのような神事を覗き見ているような今まで味わったことのない新鮮さを感じた。

三社祭にしろ、京都の大文字焼きにしろ、祭りとは見物客が多数いるものという思い込みは、屋久島で見事に覆させられた。祭りは人に見せるためのものではなく、内なる神事に突き動かされて続いてきたものであることを実感した。

この棒踊りは島津藩の時代から300年続いたもので、奄美や屋久島以外では鹿児島県の地方でも残っている伝承文化とのこと。